- 2021-02-27 (土) 21:02
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高校3年生のH君、チェロが好きで音大に進学したいと昨年、この教室にやってきました。
私はチェロは教えられないけど、楽典、聴音、ソルフェージュ、そして副科のピアノを教えることになりました。
最初にお父様とやって来た時、「息子にチェロで音大に行きたい!」と言われて、男の子が音大を出ても生活出来るのか心配で反対した!と聞きました。
でも、私の「本当にチェロで音大に行きたいの?」との問いに「チェロが大好きなんです!」と言った彼の目が輝いていたのが印象的で、好きなことが出来る人生は
彼にとってピアノは初めてで、本当は基本練習から始めなければならないのですが、受験までの一年で課題曲のソナチネまたはソナタを弾けるようにしなければ…。
あれもこれも練習する時間がないため、とにかく課題曲を弾けるようにしなければならないと一曲絞りの練習に突入しました。
9月になってようやくピアノが弾けるようになると、場に馴れるために、大人の発表会に出しました。
苦手なソルフェージュ、コールユーブンゲン、新曲、そして聴音も課題をたくさん出し、出来なければ録音を撮ることや自分で弾きながら歌う練習など、
日曜日の夜までレッスンは続きました。
ところが努力の甲斐が実って成果が出始めた時、受験する大学からコロナの影響で今年度の受験科目がチェロの専攻実技のみになるとの発表があり、楽典をはじめ
ソルフェージュ、ピアノの試験がなくなり私とのレッスンはその時点で終了になりました。
しばらく会わない日が続く中、どうしているかと思っていた今月半ば、受験前最後のレッスンで試験曲のバイドン・チェロ協奏曲の伴奏をしてほしいと頼まれました。
チェロのレッスンはアンサンブル的な勉強にもなり、楽しかったと同時に、久しぶりに彼の演奏を聴いて、この半年でとても上達したと感じました。
そして、先週入試が終わり、昨日東京音楽大学に合格したと連絡がありました。
一緒に練習してきた科目は受験では無くなりましたが、私にとっても受験生とのレッスンは勉強になり充実した時間を持つことができました。
今、音楽の入り口にたどり着き、これからもっともっと苦しいこともあるかと思いますが、大好きなチェロを生涯共に出来る喜び、そして合格した時の初心を忘れず、
これからも頑張ってくださいね!
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