- 2021-04-04 (日) 7:02
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10年前に高校時代一番の親友が癌でなくなり、彼女の母親もすでに他界しているために父親が一人残されてしまいました。
親戚との行き来がない父親は、人嫌いの頑固者だった為、面倒を見てくれる人が誰もいません。
そこで私が父親の希望でもあったため、後見人として面倒をみることになりました。
身寄りが無いため、病院の行き来や見舞い、そして葬儀は私一人の参列となりましたが、最期はきちんとしたお葬儀で送り出してあげたいと思いました。
葬儀の日、会場で流れてくる音楽がクラシックのピアノ曲、普段なんでもなく耳にしている曲やレッスンでも何度も取り上げている曲が、この時ほどもの悲しく、
それでいて心に染み渡ったことはありません。
ショパンの「ノクターン1、8番」、ベートーヴェンの「悲愴第二楽章」、「月光第一楽章」、ショパンの「雨だれ」、ドビュッシー「月の光」等々。
思わず式場の受付の人に「とても素敵な選曲ですね」と言ったら、「私が選びました」との返事。
「はい、音大出ています」
えっ!?
音大卒の受付嬢、葬儀社の音楽を選曲するために音大を出た訳ではないだろうけど、普通ならショパンの「別れの曲」「葬送付きソナタ」、リストの詩的で宗教的より
「葬送」など選ぶところを、ごくごく一般的なベストチョイスの彼女の選曲に幅広い音楽性を感じました。
そして、その音楽が父親との10年間の思い出をさらに増大させ、自然に涙が溢れました。
音楽っていいなぁ。嬉しい時や楽しい時だけでなく、こんな所でもこんなに感動するのは音楽だけだ~!
爺さま、どうぞ、安らかにお眠り下さい。
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