- 2012-06-15 (金) 11:15
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私は長年ピアノを教えるということに携わってきました。音楽の専門に進む方、幼稚園の先生などピアノが必要とする方、専門ではないけれどピアノを楽しんで弾いている方、実に様々です。多くの生徒さんと接してきましたが、音楽の専門的な道に進もうと、進まなくても基本的な教え方は変わらないし、最終的には一人で楽譜を正しく読んで、自分が弾きたい曲が弾けるようになり、日々の生活の中で音楽が楽しめたられたらと思っています。
そのために指の訓練や楽譜の読み方、音の感じ方、表現、楽典、ソルフェージュは必要な要素だと思っています。短いレッスン時間の中で、それらのことを全部やらなければならないのは大変ですが、ピアノを教えている限りは、それらは当たり前のことだと思っていました。
2年前にピアノを習いに来たTちゃん、すでに他の教室で2年くらいピアノを習っていました。体験レッスンでどのくらい弾けるのかなぁ~と弾いてもらうことにしました。
あれれれれ~、なんと彼女の楽譜には音符一つ一つに全部カナがふってあるではありませんか?!初対面の子どもに悪いと思いながらも「楽譜にカナをふったら、いつまでたっても音符が読めないよ。自分で音符を読むようにしようね!」
「これって私がふったんじゃないよ。先生が書いたんだよ!」との返答にえっっっ~!?
ちなみにカナを隠して音符だけ読んでもらうと、彼女は易しいドレミ~くらいは読めたものの、他の音符は読めませんでした。ピアノは好きなようで一生懸命弾いているのに…。さらに指使い、音符、休符の長さはいい加減、強弱記号も無視?ほとんど、好き勝手に音符の羅列で弾いていました。
さらに驚いたのは間違った音で弾いていたので、違っていることを指摘すると、なんと音符にふったカナが違っていたのです。
教室を代わられた理由は「もっと上手になりたい!」とのことでした。
上手になることはもちろんですが、まずはきちんと弾くこと、楽譜に書いてあることをひとつも見過ごさず、正確に弾く、音符は正しく読む、という当たり前のことから始めなければならないと思いました。
最初のうちTちゃんは音符を読むことに苦労し、正確に弾くということに戸惑い、泣いていることもありました。でも、私はここで妥協したら、また、Tちゃんは同じことを繰り返してしまう、本当のピアノの楽しさを分かって欲しいと思い、辛抱強く言い続けました。まさに私は鬼?コンチクショウ?!
その頑張りがあって今ではTちゃんは、正しく楽譜を読めるようになりました。そして、もちろんピアノを楽しんでいます。
ここの教室には、時々他の教室から代られてくる子どもさんがいますが、前述したような「えっ~!」と思う弾き方を習ってくる子どもがいます。子どもは悪くないすよ。でも、こんな教え方で月謝をとっているピアノの先生には腹が立ちますね。
私は特に何かしているわけではなく、当たり前の基本的なことを教えているだけです。ピアノを教えるってどういうことなのかしら?音楽を楽しむってどういうことかしら?自分自身を見つめるにもよい機会です。
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